嫌いな男。

2/13
73人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
木漏れ日差し込む午後の学生食堂。 カフェオレをストローで吸いながら、美南(みなみ)は上目遣いに俺を見た。 「ねぇ、幹也(みきや)、今日はどうする?」 「そうだなぁ。テスト終わりで出掛ける元気もないし……ツタヤでDVDで借りて俺んちで見ようぜ」 「うん、じゃあそうしよう」 彼女はそう言って微笑んだ。 南海が頭を傾けると、可愛らしいシルバーのピアスも揺れた。 南海は超可愛い。 この間の学校祭ではミスコンに出場したほどだ。 優勝は惜しくも逃したけれど、100人いたら100人が可愛いと答えるだろう。 その時、 食堂の端のほうから下品な笑い声が聞こえた。 視線を向けると、6人ほどの男子学生がテーブルに前のめりになりながら何やら早口で喋っている。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!