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「そうよ。それが、わたしがカメラから出る手続きなの」
「ほーう」
なんだかよくわからなかったが、タクローは言う通りに立派なビルを撮影した。
「ここはいったい、なんなんだ?」
タクローは思った疑問を口にした。
アイリは少し言い淀んでからこたえた。
「ここは……わたしの職場だったところ……」
「会社に勤めてたのか……」
タクローは驚いた。カメラに閉じ込められた魔法使いだと勝手に思っていたのだが、元は一般の人間だったとわかってイメージが一変した。
「じゃ、次に行きましょ。この通りをまっすぐ」
アイリは戸惑うタクローにかまわず先を急がせる。
「あんたは、魔法使いではなかったんだな」
「うん。今、こうやってカメラに入ってしまったけれど、元はOLだったわ」
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