3人が本棚に入れています
本棚に追加
手前の駐車場から見上げて、タクローは尋ねる。
「ここは……もしかして、おまえの家なのか?」
「うん、そう……」
「じゃあ、ここにはおまえの家族も住んでるんじゃないのか?」
「うん……いるよ……」
意外なことを言われたかのように、アイリは歯切れが悪い。
「もしかして、おまえがカメラのなかに閉じ込められているのを、家族はだれも知らないんじゃないか? きっと心配してるだろう。そんなおまえがおれと結婚したら、どう思うだろうな……それでもおれの女房になるっていうのかい?」
「…………」
アイリは、なにか言いたいことを言い出だせないように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!