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「なんだと……」
そのカメラに閉じ込められた者を助け出した者は、今度は代わりにカメラに吸い込まれてしまうのだ。
リョウスケの説明は、死刑宣告をする裁判官のように重苦しく響いた。
過去のアイリも、そのカメラの中のだれかを助けるために、シャッターをきったのだった。
助ける手段は簡単だったが、自身の犠牲が必要となるため、リョウスケはアイリを助けられなかった。リョウスケがそれでも助けたいと言い張っても、アイリが断固拒絶した。
そこで、だれかにやってもらおうとリョウスケは提案した。
しかしアイリはまたも反対した。自分のためにだれかが犠牲になるのは嫌だった。それがリョウスケではなくても。
リョウスケは考えた。
そしてたどり着いた妥協点が高齢のホームレスにカメラを操作してもらうことだった。
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