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そんな軍の上層部は父を殺した。ーーアンドロイドを失わないように。
その話を聞いた私は唖然とした。そんな理由で父は殺された?アンドロイドのために?それだけでも理解がなかなか追いつかなかったのに男はまだ言葉を続けた。
「軍の上層部は君ならアンドロイドの造り方を知っているのではないかと、お前を狙っている」
何を言われて居るのかさっぱりだったが、男の話はこうだ。
軍の上層部は私がアンドロイドの造り方を知っているとみて、私に造らせようとしている。もし知らなかったとしても、それが嘘であり私が独自にアンドロイドを造るかもしれない。知らないと答えるか製造を拒否するようなら、殺せ、と。
命を狙われてるかもしれない。それだけは理解出来た。それを理解した瞬間から震えが止まらなくなった。そんな私に男は言った。
「だからお前を守りに来たんだ」
ガシャン、大きな音がたち、驚いて音がした方を見る。そこには腕の取れたチヤがいた。……そう、腕の取れた。
「すまない、日和。驚かせてしまった」
「大丈夫だよ。・・・色々驚いたけど。それより、大丈夫?」
「今付けるから問題ない」
人間の腕がそう簡単に取れたりつけたりできるはずがない。そう、チヤもアンドロイドなのだ。
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