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「……ごめんね。私、お父さんと違って機械とか詳しくないから」
自分も父と同じ分野の人間だったなら、そう思ったらつい出てしまった言葉だった。それをしっかり聞いていたらしいチヤは顔をしかめて言葉を放った。
「俺もいつかは壊れるんだ。もうその事実は変えられない。だから、日和が謝ることはない」
「・・・うん」
チヤはいつか壊れる。それはこの先最終的には、の話ではなく、もうほぼ決まっていること。
父は殺される前に全てのアンドロイドに「呪い」をかけた。それは非科学的なものではないがアンドロイド達からすれば「呪い」……終わりが、来るのだ。ある一定の時間が経てばアンドロイド達は内側から壊れるように、開発者である父が呪いをかけた。それは明日なのか10年後なのか、チヤもわからないらしく。せめて、それまで守らせてくれ、とのことだ。
「何事もなければいいのになあ」
普通に明日が来れば、ただそれだけでいいのに。
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