愚鈍な王

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「な、な...なんじゃこりゃ!」王は驚いた。地下には様々な植物が溢れ、大勢の人が居た。村というより町のような規模である。ウォーカーは「全くもってやはり凄まじいな...」と言った。 「驚いているようですな?ここは法から逃れた地下街!カチャーノ!」大きな声がした。振り返ると大きなちょび髭を生やした男が立っていた「何奴?」王は聞いてみた。男は「んーワタシはオワリ。オワリという者。レジスタンスの最高司令官です!お二人とも会えて光栄!」この言葉に王はまたも驚いた。村に向かうつもりが、レジスタンスの拠点とは!しかし、王は疑問に思い、言った「あー私はカクメイという者だが...失礼ながら、レジスタンスは必要ないのでは?あの愚鈍な王は消えたのだろう?」オワリはハッハッと笑いながら「確かに!愚鈍な王...奴は消えた。しかし!無意味だった。奴の息子がそのまま王位についたからな!」王はまた疑問に思った。思わず言葉が出た「私に息子などおらんが?」王は言った。オワリは「確かに!愚鈍な王!貴方には息子は居ない...傀儡だ。だが...奴は貴方以上に愚鈍でね。まぁ庶民レベルでは変わらんが王都には既に影響が出ている!んー良くない!」 ウォーカーは落ち着きを保ちながら「カクメイ。君はカクメイではなく王だったのか?」と言った。 王は「しまった...」と思った。このオワリとかいう男。口が達者だ! もっとも。王が愚鈍なだけだが。血筋はあろうと愚鈍な様はそうは消えない「さて。王よ?貴方は王に戻る気は?貴方は愚鈍だ。故に。彷徨う生活は答えるだろう?貴方が王位を忘れられないのは解っていた。であるから!革命軍からウォーカーを君に派遣したのだ。愚鈍でもあの圧政よりマシ。行動するバカより動かないバカだ!」またまた王は驚いた。ウォーカーもか!「すまない。王よ。私は貴方をテストしていたのだ。君は確かに愚鈍だが...まぁ王の器はギリギリある。合格です。司令官」 ウォーカーは言った。オワリは満足して「王よ。私は...私達は貴方の王政が忘れられん!愚鈍だが愚鈍故になにもしなかった。あれでよい!頼む。もう一度王位についてはくれんか?」と言った。王は鼻高々に「うむ!うむ!民にはまともな奴もおるな!満足だ!私がまた王になってやろう。私が王だ!」と言った。聞いていたオワリは満足して「ならば訓練です。王。愚鈍から有能へ!」
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