愚鈍な王

1/6
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

愚鈍な王

昔、ある国に愚鈍な王がいた。王は「私の為に働け!さぁ動くのだ無能な民共!」などと言うので、民には好かれず、日に日に民の不満は膨らむばかりであった。当然の帰結ながら、民は反乱を起こした。この反乱の首謀者は王の父親であった。「何故だ!父上!」王は訴えるが「貴様など息子では無い!愚鈍な王め!」と相手にされず、王は国を追い出されてしまった。家族を国に残して。そして、一切理由もわからずに。王は旅人まで身分を落とし、小さな村を、王の顔が知られぬ地まで逃れることになった。しかし、王は愚鈍ながらも、理由は知りたがった。無能な民が何故自分を裏切ったのか。父は何故息子を見捨てたのか。故に王は歩くのだ。自分が反乱された理由を探すために。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!