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家出
「え~。まず精霊とは・・・」
午後の気だるい時間帯の教室に教師の声が遠くに聞こえる。
「ふぁ」
眠気がオレを襲っていた。
声を押し殺す事なく欠伸をするとクラス中が一瞬こちらを向く。
もちろん教師もだ。
だが、誰が欠伸をしたか確認すると何事もなかったかのように授業は再開された。ほかの生徒も興味を失せ教師の説明に耳を向ける。
オレは気にせずに今度は机に突っ伏した。
(めんどくせぇ)
いつもは学校自体をサボりその辺をさ迷って時間を潰しているオレなのだが、ちゃんと学校に行っているか不安だったか、学校に連絡しサボっていた事を知った保護者である姉貴が大激怒した。
そのため今日は仕方なく出席していた。
正直だるい。
こんな<オレ>に誰も興味はない。学校側も姉貴の存在を無視する事が出来ないので仕方なくこんな<オレ>を受け入れているに過ぎない。
「ふぁ」
もう一度欠伸をするが今度は誰も振り向きもせず、教師さえも声を途切らせる事もなく授業を進めている。
(寝よ)
オレは本格的に寝に入った。
(さぶ!!)
意識を覚醒させたのは寒気だった。
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