第1章

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ただ、後輩に嫌われているよりは懐かれている方が何倍もいい。 しかもおかげで仕事が捗っているのだから文句もない。 もう二度と波風を立てたくなくて、今のところその理由を本人たちに聞いていない。 もしかしたら怖くない、というのが理由かもしれないし。 それならそれでも構わない。 人波に紛れてエレベーターに乗り込んだ。 奥に押し込まれたせいで階数を選ぶボタンに手が届かない。 あいにく私たち3人と同じ階で降りる人は他にいないらしい。 下層階で誰か降りたら押そうと、手を伸ばすことを諦めた。 それを察知したのか喜川が手を伸ばして9階のボタンを押した。 .
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