第1章

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さっきまで言い合っていたふたりもようやく仕事のスイッチが入ったらしく、用意してきたのだろう資料を掲げた。 頼もしい限りだ。 コーヒーを淹れて自分でも考えた案を見直す。 きっと私の案を出すまでもなく、あのふたりを含めたメンバーがいい案を出すだろう。 せっかく新しい相手と仕事をするのだからと、ファイルを引き出しにしまった。 「担当の方が来られました」 腕時計を見ると、約束の時間が近づいていた。 「ありがとう。会議室にお通しして」 資料を手に会議室に急ぐ。 コーヒーを準備してくれたスタッフにお礼を言って、挨拶しようと名刺を手に顔を上げた。 .
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