第1章

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余りにも残念がる喜川が探しかねないので、もう存在しないことを念押した。 万が一探し出されては困る。 決して恥ずかしいわけではないけれど、あの頃の記憶が蘇るのはごめんだ。 2度と思い出したくない。 「僕も見たかったんですけどね。残念です」 さすがに社外の人間に厳しいことも言えず、苦笑いで返す。 先週も思ったけれど、小田切の考えはなぜか読めない。 見られて困るものではないけれど、いろいろ詮索されるのは面倒だ。 仕事相手なら尚更誤魔化せない。 「もう1度出たらいいじゃないですか」 .
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