8689人が本棚に入れています
本棚に追加
余りにも残念がる喜川が探しかねないので、もう存在しないことを念押した。
万が一探し出されては困る。
決して恥ずかしいわけではないけれど、あの頃の記憶が蘇るのはごめんだ。
2度と思い出したくない。
「僕も見たかったんですけどね。残念です」
さすがに社外の人間に厳しいことも言えず、苦笑いで返す。
先週も思ったけれど、小田切の考えはなぜか読めない。
見られて困るものではないけれど、いろいろ詮索されるのは面倒だ。
仕事相手なら尚更誤魔化せない。
「もう1度出たらいいじゃないですか」
.
最初のコメントを投稿しよう!