第1章

19/31
前へ
/396ページ
次へ
清潔感があって、落ち着きもあって、誠実さも伝わる。 営業マンとしてはかなり優秀な人なのだろう。 あの瞳の奥で、なにを考えているのか読めなくて少し怖いのは、私に隠したいことがあるからなのか、それともなにか秘めたものでもあるせいなのか。 まだわからないけれど、由紀の言いたいこともなんとなくわかる。 「ちょっと仕事出来そうな雰囲気があると、すぐイケメンだって騒ぐ。木下って本当に見る目ない」 「あ~悪かったわね。見る目がなくて。あんたみたいなわんこに言われたくないわ」 「わんこってなんだよ」 相変わらずこのふたりは素直じゃない。 確かに好きな男(ひと)から見る目ないと言われると、気分のいいものではないだろう。 .
/396ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8690人が本棚に入れています
本棚に追加