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そしてその人をよく見ているからこそ、わんこのように尻尾を振っている(ように見える)姿が気に入らない。
喜川が気づかないのも無理はないけれど。
「とりあえず喜川君はさっき話した、ポスターのモデルピックアップしてみて」
「はい」
勢いよく自分のデスクに向かって行く喜川を見送る。
「だからわんこだって言うのよ」
「いいじゃない。そういうところが喜川君のいいところだって知ってるんでしょ」
「そうですけど……」
初めこそ喜川を嫌っている風に装っていたけれど、最近は私にだけは素直になってきたように思う。
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