8690人が本棚に入れています
本棚に追加
三宅は穏やかに商品のコンセプトや私を選んだ理由などを話してくれた。
自分に出来るかどうかは自信がなかったけれど、いつの間にかこの人がついていてくれるなら出来そうな気がした。
「私でお役に立てるなら……」
「決まりね」
結局男性ふたりは座っているだけで、挨拶以外話すことはなかった。
心配してくれていた恋人の田村に連絡をすると、とても喜んでくれた。
自分の恋人がCMに出ていると、自慢するほど応援もしてくれていた。
私が華々しい世界に身を置くようになり、一方の田村は就職先が見つからない。
会えない日が続いていくうちに、いつしか田村の焦りは嫉妬に変わっていた。
数日の撮影を終えて田村の部屋に行くと、いつもと違う様子の田村がいた。
.
最初のコメントを投稿しよう!