第1章

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「そうね」 「白石さんとお似合いだと思うな。ちょっと気があるんじゃないですか?」 「え? そんなわけないじゃない。私はそんな……」 「白石さんじゃなくて、小田切さんですよ。きっと白石さんのこと好きだと思います。女の感です」 なにを言い出すのかと思えば、小田切が私に気があると言う。 私が気にしていることを言い当てられたのかと思って動揺したのは杞憂だったらしい。 「小田切さんもいい大人だし、結婚してるかもしれないわよ。してなくても恋人くらいいるでしょ」 「左手に指輪はなかったので、独身だと思います。恋人は、仕事が忙しくて作る暇ないと思います」 「なにそれ。それも女の感?」 .
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