第1章

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なんて都合のいい。 そう思っても、真面目な顔で言い切る由紀を見ていると、そう思っているならそれでもいいかと思えてしまう。 私に気があると言うところは別として……。 「もしかして、小田切さん気に入った?」 「素敵だとは思いますけど、私は相手にされないと思うのでパスです」 全く残念そうでもなく、至極当たり前だと言う風に言い切った。 確かに彼女の好みは喜川なので、雰囲気は正反対と言っていい。 「わんこが早く気づくといいわね」 「私のことはいいんです」 そんな風に言っているけれど、由紀は決して諦めることはないだろう。 きっと喜川の心の片隅に、由紀の存在があると私は思っている。 .
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