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「ありがとうございます」
「いえ、1度白石さんと話したいと思っていたので、ラッキーでした」
私と話がしたいとはどういうことなのか。
もしかしたらなにかに気が付いてしまったのかもしれない。
そう思うと隣を歩いている小田切の顔を見ることは出来なくなってしまった。
横目に見えるネクタイにちらりと視線を送るのが精一杯。
いいネクタイだな、とぼんやり思う。
すると何度も呼んでいたらしい小田切が顔を覗き込んできた。
「白石さん?」
「あ、ごめんなさい。素敵なネクタイだなと思って、つい」
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