眠り

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眠り

その日の夜、僕は眠れずにいた。 ベットの上でただひたすらに、何もない天井を仰いでいた。 ぐっすり眠ったほうが、体にもいいのはわかっているんだけど、今はそれどころじゃなかった。 「…寝なきゃ」 独り言も暗闇へ吸い込まれていく。 この闇の中、眠る以外のことは何も出来ないし…。 あ、そうだ。 そういえば、羊を数えると眠れるって聞いたことがあるぞ。 目を閉じて…閉じなくても変わらないか。 闇の中に羊が1匹…羊が2匹…。 そうして羊が100匹をこえたあたりで、ようやく眠ることに成功した。 …正確には記憶にないが、多分羊の数は109匹だった気がする…。
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