第一章 放課後の教室

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そう。私がコノ人呼ぶ彼の名は一之瀬進(いちのせすすむ)。  大手塾の超人気講座を担当する数学講師。  採用の際、面談らしい面談は受けず、塾長とお好み焼きを食べに行ったら意気投合してそのまま採用と相成りました☆なんて飄々とのたまうふざけた大人だ。  しかしながら彼が凄いのは、これまで教えた経験は一切無いにも拘らず、講座を担当するなり直ぐに、これまで様々な大手塾を流浪してきた生徒にも、わかり易い!結果が直ぐに出る!効率よく大幅に成績が上がる!と、評判になって、申し込みが殺到。  増枠しても席が足りずに入校するには席が空くまで数ヶ月待ちなんていわれる所だ。  そうして一気にスター講師に上り詰めたと言う異色の経歴を持つ彼は、孤高の狼。  今では水と油、往年の宿敵、因縁の相手になってしまった彼だけれど、私と先生との出会いは極めて至極普通のソレだった。
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