第一話

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「すう、すう」 「で、そこで一年間働けば、自分の錬金術の店を持つ権利が得られるわけだ。問題は、勤務先には従業員がいないということだ。何しろオールラントの店はもうすぐ出来上がるんだ。そして残念ながら、他の店の人員も割けないらしい。まあ、オールラントに客はあんまり来ないだろうから、一人でもやっていけるとは思うけど。……って、聞いてる?」 シャルムがはっとなる。それからすぐに笑顔で返事をした。 こりゃ、聞いていないな。大家はそう思ったが、本人の自己責任だし、特に問題はないだろうと判断した。 にこりと大家も笑う。 「まあ、自分の店を持つためにもがんばって」 「はい!」
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