(1) 不機嫌のワケ

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「見えづらいのに無理してると、益々見えづらくなりますよ?」 「……」 「そんで、もっと眉間に皺が寄って、しまいにはその皺が取れなくなっちゃいますよ?」 「別にいい」 「えー、勿体ない!」  思わずそう言ってしまうと、先輩が私の方をじっと見た。 「なんで?」 「えっと……」  ここは本音を言うべきか、言わざるべきか。  先輩がイケメンであることが皆にわかり、もっとファンが増えてしまったら。  とっつきは悪いけれど、先輩は元々親切でいい人だ。今よりずっと先輩を狙う女子は増えてしまう。私としてはそれは面白くない。  でも、そんな私一個人の思惑だけで先輩の顔に皺を作ってもいいのか? いや、よくない!  ここは涙を呑んで、本音をぶつけることにした。

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