5.素敵なこと《由美と大曾根》

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「どうしたの?」 「お母さん」 早くに亡くなったお母さんです。私のご先祖様も、いっぱいここにはいるから、何も寂しくありません。 「翔ちゃんに、恋人ができそうなの」 「素敵なことじゃない」 「すてき…か」 「とてもね。生きる気力をなくしてしまって、そのまま現世に変えられなくなる人もいるんだから。間違っても、邪魔しちゃあダメよ」 素敵なことか。そうかもしれない。ちらっと、翔ちゃんを見る。夜寝る前の瞑想が始まった。私に向けて、今日1日の報告をするんだ。 どんな人なんだろう。私に似てるのかな。もし良ければ、ずっとずっと、翔ちゃんのそばにいてあげてほしい。私は見守ることしかできないから。 よろしくね。
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