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「どう?久しぶりの本社は?」
部長は、いつものようにネクタイを少し緩めながら
カウンターに入ってお酒を選ぶ。
もうすっかり馴染みを通り越して、店員の一人になっている。
「部長、それ先月東京に戻ってきてから毎回聞いてません?」
あ、私は梅酒ソーダ割で
と鈴は部長に伝える。
「そりゃ、気になるからさ」
自分の都合で引き戻したり、引き離したり
40オーバーのオジサンがすることではないことくらい
よくわかっている。
「また顔にでてる。俺のせいだって」
ふぅ。
鈴はやれやれ、という表情でカウンター越しの部長から
グラスを受け取った。
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