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月夜にふたり
君と初めてふたりきり。
見てるのは、山吹色した満月と引き寄せられるように輝く無数の星だけ。
教師すら帰った夜の校舎は静まりかえっていた。
部活の後、みんなでご飯を食べに行った帰り道。
校門前に迎えを呼んだ私を暗いから送ると言ったのは、友達の彼氏である君だった。
相談があるからとみんなと別れ、
校門近くの階段にふたり座った。
私の一段下に腰を下ろす君。
今思えば、君のことだから
並んで座るのは勇気が出なかったんだろうな。
背の高い君のつむじが見えたことにドキドキしたのを覚えてる。
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