疵と、あなたのこと。

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 夜の道であなたを撥ねた車の運転手は、飲酒していたことが発覚して、とても重い実刑を背負っていた。  それだけを見れば、不幸な事故で、遺書だって見つからなかった。  けれど、わたしは、その少し前に、わたしに電話してきたときのあなたの言葉を覚えていたから、どうしても素直にそれを受け止めることができなくて。  必死に考えても、答えは出なくて。そうしているうちに、あなたの葬式が終わって、あなたは写真の向こうで微笑むだけの存在になってしまって。  その帰り道、ふと空を見上げると、そこには冬の星が輝いていて。  それを見ていると、いつの間にか視界がにじんできて。やがて、私の頬を、いくつもの雫 が伝った。
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