「大変言いにくいのですが。」

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「おひきとりください」 俺は声にならない声でいい、左手首を振った。 もはやこの世に未練などない。 俺は好きなように生きてきた。 そんな自分には相応しい結末のように思える。 一刻も早く、おさらばしたい。 「万が一気が変わるようなことがございましたら、ご連絡を」 男は不気味な笑顔をいつまでも崩さず、棚の上に名刺を置いた。 そして速足で去っていった。
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