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なんということだ。
漫画の神が、降りてきてしまった。
久しくなかった感覚だった。
20年ぶり......或いはそれ以上かもしれない。
いける、という確信があった。「このパターン」で外したことはただの一度もない。この漫画は、俺に描かれることを欲している。それはこの世に産み出されなくてはいけないものなのだ。
すでにヴィジョンは見えている。数百ページ先までの設計図が頭の中にある。ネームなど必要ない。一気に描き下ろしてしまおう。
だが、身体が動かない。
糞。
なぜ「今」なんだ。
どうすればいい?
頭に浮かんだのは、あの不愉快なストライプスーツの男だった。
とても信用できる話ではない。
だが、今は選択の余地がない。
なんとかして、あの男に連絡を取らなければ。
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