もうだめだ

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もうだめだ

ということは分かっていた。 問題なのは、駄目だということが分かっているのは俺だけだという事であり、俺自身、どうして駄目なのかを、論理的に筋道立てて説明できないことだった。 誰も納得してくれない。 表面上は上手くいっているのだから、当然と言えば当然だ。 月刊3本に、隔週1本。不定期な執筆を含めれば、もういくつ仕事を抱えているか自分でも分からない。おまけにそれら全てが、そこそこ売れていると来ている。 世間一般の価値観からすれば、俺は間違いなく成功したマンガ家のひとりだった。ただでさえ本の売れない時代、ちょっとした大企業のサラリーマン程度に稼げるマンガ家など、本当に数えるほどしかいない。まがりなりにもその内に入ることができているのだから、文句など言うべきではないのだろう。 それでも。 俺の中には、焦燥と危機感しかなかった。
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