2人が本棚に入れています
本棚に追加
仲本作業所での作品作りはやがて終わりに近づいた。
はやいものだ。
もう一か月たったのかと思い、仲本社長に最後の作品を入稿した。
仲本社長は「ご苦労さん」といって、その日の夜は近くの居酒屋で送別会をひらいてくれた。
みんなはこの短期期間にいた僕が去るのを寂しがった。
自分の娘と年も変わらないだろう女性は泣いていた。
「鈴木さんってなんか私のお義父さんみたいな存在」で嗚咽していた。
もうひとりのおばあちゃんは「鈴木さんはワタスの初恋の人に似てっぺよ」といってこちらは「うおーん うおーん」と吠えていた。
仲本社長は里ちゃんにシゲさん泣くのをなめないか。
シゲさん、あんた旦那がいて孫もできたって喜んでいたじゃないか」というと。
シゲさんは「ワタスの心は永遠に乙女なのよ」といいながら泣き叫んでいた。
仲本社長が「鈴木さんはあそこのコナミスポーツジムに通っているのだからあそこの会員になればいい。そうすればあえるから」といってようやくふたりの気持ちに整理がついたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!