僕と妻

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僕は妻が作ってくれたお弁当とコーヒーの入った水筒と妻が作ってくれたマグカップをもってテーブルにいった。 彼らは僕のもってきたものにとても興味があるらしい。 みんなが同じ職場で、事務員の入れ替わりはそう多くはなく限られている。 僕の突然の短期間雇用されたためかれらの日常に変化をもたらしたのだ。 そいうわけでこの中年オトコに興味があるようで色々と質問をしてきた。 やはり僕がどうしてここになんの目的でいるのかを全くしらないひとがほとんどだったので関心をもたれた。 僕の前にいるおそらくは高校を卒業して数年しかたたないだろう事務員が私の似顔絵を描いてくれますかと言われたので事務室にあった画用紙に鉛筆で描いてあげた。 周りが「似ている。中にはこの絵の方がずっと可愛いいじゃないの」と暴言を吐いている僕と年の変わらない女性がいた。 お弁当を食べる時も彼らの興味は尽きることがない。 「おいしそう、料理好きなのね。奥さん」と言われて嬉しかった。 次に芳醇な香りと一緒に水筒から陶器のマグカップにそそがれるのをみて、かれらの鼻腔から脳に伝わるまでの数分後、おしゃべりスイッチがオンとなった。 そのとき仲本社長が部屋に入ってきて「うん・・・・コーヒーのいいにおいがするね」というと、社員は鈴木さんのですよと報告した。 こちらは彼らの言いたいことがビシビシと伝わるので、食器棚にあった茶碗を人数分にひとつずつ丁寧に入れていった。彼らは一様に目を閉じて、鼻をひくひくさせて味わっていった。
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