9人が本棚に入れています
本棚に追加
「故障というなら、修理しないといけないよな……」
灯雅は当たり前のことをおずおずと言った。
「それはそうかもしれんが、現実、どうするんだ? おれたちには無理だろ」
「ううむ……」
至極当然のことを秀電に言われ、灯雅はうなるしかない。故障が直らないとなれば、今後どうすればいいのか……。
「だいじょうぶよ」
するとエミルが、悩む二人に平然と言う。なんの問題もないといった無表情で、少しも困った様子ではない。
「自動修復機能あるから平気よ」
「いつ直るんだ?」
灯雅が身を乗り出した。
が、エミルは明確な日時を言わなかった。
「それはわたしにもわからない。でもいつか直る」
「早めに直ることを祈るよ……」
ため息まじりに秀電は言った。
「それまでは……」
それまでは──。
どうするんだ?
兄弟は互いに顔を見合わせた。
最初のコメントを投稿しよう!