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「梅だろうなぁ~!」
とにかく、一個目から大当たりの鮭を引いてしまった僕は、その特大のおにぎりを頬張りながら、次は、何をして遊ぼうか?それだけを考えていたような気がする。
テレビを見ていた。
なんだか、あまり面白くない。
「そろそろ、寝てないとお昼には、お父さんもお母さんも帰ってきよる」
僕は、再び布団の中にもぐりこんで、大きく息を吐きながら枕に頭を乗せて、しばしの間短い眠りに就いた。
「太一郎!お利口さんにしていたか!?」
「うん……あっ!お帰りなさい!」
お父さんとお母さんが帰ってきた。僕は、しっかり大人しく寝ていた演技を続ける事にした。
「父さんと母さんは、母さんが朝こしらえてくれた弁当があるけぇ、お前は、おにぎりと豚汁を、しっかり食べて栄養つけんとぉ!」
「うん、分かっとるよ!」
僕は、内心ほくそ笑みながら台所へ行って、お椀いっぱいに豚汁を注いで、卓上に置いてある、おにぎりの席に座った。
「いただきま~す!」
富山県のお米は、とても美味しくて僕は、たまさかに、お母さんが握ってくれる、この特大おにぎりが、大好きだった。
「ゆっくり、よく噛んで食べんしゃいよ!」
お母さんは、僕にそう言ってから、右手を僕の額にあてた。
「あ~れ、まだだいぶ熱があるねぇ!ちゃんと、寝とったんかいな?」
確かに、ずっと頭がボーっとしているような感覚は、消えていなかったけど、しっかりと養生していなかったことは、気付かれては、いけないと自分に言い聞かせていた。
「夕方には、もどるけえ、しっかり寝とけよ!」
お父さんが、そう言ってお母さんと一緒に、また作業に出ていった。この時期は。雪も残っているから、ビニールハウスや温室(おんしつ)栽培(さいばい)なんかで、生計を立てている事くらいは、一人息子として知っていた。
昼ごはんの後に飲んだ風邪薬が、効いたのか?僕は、夕方までぐっすりと眠って、気が付いたら、お父さんもお母さんも帰ってきていて、お母さんは、台所で晩御飯の支度をしていた。
「おう、起きたか!太一郎!」
お父さんが、目を覚ました僕に気付いて、声をかけてきた。
「あ~、よく寝た!だいぶん良くなった気がする!」
さっきまでの、気怠さや、寒気、頭痛が、軽くなっていた。
「お父さん、僕もそろそろ農作業手伝いたいよ!」
僕は、汗で少し湿ってしまった下着を、着替えながらお父さんに話しかけた。
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