クリエイティブな墓守宣言

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「うん? 売るとかなんとか言っていたが、あんな不便な物件、売れるとは思えないんだがなぁ……」 「あのおうちを売ったら、お庭はどうなるの?」 「え? 庭?」  唐突に尋ねられて俺が戸惑っていると、佳代が考え込みながらその問いに答える。 「そうねぇ……。新しく買った人が畑にしたいとか、もっと広い家を建てたいとか思ったら、無くなるかもね」 「いや、それは無いだろう。結構広いし、あんな所に馬鹿でかい家を建ててどうするんだよ?」 「あら、本当にどうなるか分からないんじゃない?」 「おじーちゃんにでんわする!」 「え? おい、翔?」 「お義父さんに電話って、どうして?」  佳代と怪訝な顔で言い合っていると、翔がいきなり立ち上がり、一声叫んでリビングから飛び出して行った。それを俺達は、唖然として見送る。 「何だ?」 「さあ?」  しかしそのままにもしておけず、佳代が縁を抱え上げ、俺が先導して翔の後を追った。すると予想通り、翔は子供部屋でキッズケータイを手にして、ワンタッチ登録してある実家に電話しているところだった。 「もしもし、おじーちゃん? 翔だよ!」  一体何を父さんに話すつもりかと、ドアを少し開けて佳代と一緒に聞き耳を立てていると、迷いの無い翔の声が聞こえてきた。     
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