クリエイティブな墓守宣言

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 力が抜けた上に頭痛までしてきたが、ここで翔が振り返り、俺にキッズケータイを差し出してきた。 「パパ、おじーちゃんがお話したいって」 「……ああ」  何を言われるのかは粗方察しがついていたが、俺がおとなしく小さなそれを受け取って耳に当てると、予想に違わず馬鹿笑いが聞こえてきた。 「ぶわはははははっ!」 「もしもし? 俺だけど。父さん、声がデカい」 「太郎! 前々から思っていたが、翔は本当に見所があるな! お前よりよほど頼りになるぞ!」 「……甲斐性無しの息子で悪かったな」 「決めたぞ。あの家は売らずに、固定資産税を払っておく。そして翔が成人したら、生前贈与をしてやるからな!」  上機嫌な大声に多少うんざりしつつ、俺は冷静に問題点を指摘してみた。 「ちょっと待て。それならその家を、無人の状態で放置しておくのか? そんな事をしたら確実に荒れるし、傷みが早くなると思うんだが。場所が場所だけに、野性動物にも荒らされそうだし」 「だから賃貸に出す」  あっさりと一言で片付けられた俺は、本気で呆れて声を荒げた。 「阿呆か!? あんな辺鄙な所、誰がわざわざ家を借りて住むんだよ!?」     
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