SS 「溺愛と日常」

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 むしろ一分でも一秒でも長く引き留めたいと思うほど、過ごす時間を大切にしたいし、何なら時間よ止まれとまで思う。  とにかく一緒にいたい。二十四時間一緒にいたい。同じ職場なら良かったと思うし、同居してくれないなら同じマンションの隣の部屋に住みたいとまで思う。  あれ? ここまでいくとストーカー? いやいや違う。恋人だし。それくらい好きってことだし。監視したいほど好きってことだし。あれ? やっぱり俺ストーカー?  いや、大丈夫。ストーカーって恋人になってないからストーカーになってんでしょ。俺なれてるし。めちゃくちゃ恋人だし。  携帯で毎日やりとりしまくってるし。今日だって百件送ってるし。あ、返信はないけどね。俺が送るばっかりでほとんど返ってこないけどね。  え、これって一方通行? いやいや、そんなことない。え、一方通行じゃないよね?  心配になってきたので携帯を取り出し、宝来へメールを送る。 『会いたい』『めちゃくちゃ会いたいよ』『今週いつ会える?』  三件になってしまったがまあいいだろう。連続してピロピロ鳴るほうがメールが届いたことがわかりやすいはず。
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