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「あの、まず『世界一可愛い』っていうのは誰がどう考えてもおかしいというか…」
「それ謙遜? 君より可愛い子見たことないし。俺女にモテるの知ってるでしょ。どんな美人だって全然興味なかったんだよ。そんな俺が宝来くんにはベタ惚れなんだよ? それって君が誰よりも抜きん出た美貌っていう証拠じゃん」
「僕は可愛いなんて言われても嬉しくないですし…。それに美女に靡かなかったっていうなら、それは水落さんがゲイだからじゃないですか?」
その指摘に水落はぴくりと反応して、こちらを注視してきた。
あ、まずい発言をしてしまったか?
思わず青ざめるが、水落はそのまま宙の一点へ視線を移し、何か考え始めた。
頭の良すぎる頭脳ゆえにおかしな結論を導きださなければいいのだが。
「俺、ゲイじゃないけど?」
そして男同士で付き合っておいて、あっけらかんと同性愛を否定してきた。
うーん…。
どう反応すればいいのかますますわからなくなってきた。
「でもあの、僕は男なので…。世間から見たらゲイっていう括りになると思います」
「だけど宝来くんがガチムチマッチョならともかく、男でありながら世界一可愛いから仕方なくない?」
「だからあの、世界一可愛いのが違うというか…」
と言いながらふと気づく。
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