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それに関して、まったく正反対の二通りの意見をもらう。
『子供がそんな凄惨な場面を見てしまったなんて可哀想に』
というもの。
『子供で良かった。そこまで憶えていないだろうから』
というもの。
結論から言うと、どちらも違う。
凄惨だと実感する余裕はなかったし、記憶は鮮明なまでに残っていて、昨日のことのように憶えている。
あと、焼死体というものは仮に家屋が全焼したとしても、遺体まで焼き尽くすわけではないということも当時初めて知った。てっきり骨になってしまうものだと思い込んでいた。
死因はほとんどが一酸化炭素中毒か窒息死だから焦げ目がつく程度だ。消防隊員は知っている。焼肉屋のにおいと同じだと。
そんなことを知っている小学生はそういない。
こういう話をするといつも怯えられたものだ。
何でみんな、俺を化け物でも見るような目で見るのかな。
家族全員をそんな幼子が抹殺して火を放ったとでも思っているの?
そうだとしたら正真正銘悪魔だね。
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