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すっかり橙色に染まった街は、寂しげだった。遠くでカラスが一羽、悲しげに泣いている。
私はふと振り返ったが、そこはただの古びた廃ビルが建っているだけだった。
何をしていたんだったか。
少しぼやけた思考から、ミルクがかった霧を払って思い返す。
そうだ。私はカフェで休んで……コーヒーを飲みながら、読書をしていたんだった。
その内にすごく眠くなってしまった気がする。
今はそんなに眠気がないけれど、なんだかひどく疲れていた。
なんとなく、もう帰って早く寝た方が良い気がする。
どうしてか、そう思ってしまう。
今日は、カフェに行った後、本当は買い物に行きたかったはずなのに──
*END*
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