カフェ

6/6
前へ
/7ページ
次へ
 すっかり橙色に染まった街は、寂しげだった。遠くでカラスが一羽、悲しげに泣いている。  私はふと振り返ったが、そこはただの古びた廃ビルが建っているだけだった。  何をしていたんだったか。  少しぼやけた思考から、ミルクがかった霧を払って思い返す。  そうだ。私はカフェで休んで……コーヒーを飲みながら、読書をしていたんだった。  その内にすごく眠くなってしまった気がする。  今はそんなに眠気がないけれど、なんだかひどく疲れていた。  なんとなく、もう帰って早く寝た方が良い気がする。  どうしてか、そう思ってしまう。  今日は、カフェに行った後、本当は買い物に行きたかったはずなのに── *END*
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加