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「まーね、あたしももうさすがに分かってるって。ただね、やっぱりそういうのって話してみないと分かんないもんで。気づいたら仲良くなっちゃうんだよねー」
「お前の場合、危機感がないだけなんじゃ……」
意見してみると、すかさず鳩尾に拳が入った。
「『お前』って言うな、底辺クソぼっち陰キャ野郎」
突然に理不尽をぶつけてきた。僕はフローリングに膝をつき、痛みに呻く。やばい、ハムエッグが出てくる……
「姉に向かって『お前』呼ばわりは許さん、底辺クソぼっち陰キャ野郎」
一言一句変えずに悪口を並べてくる。なんて奴だ……僕はこの悪魔に立ち向かうべく、腹を抑えながら顔を上げた。
「いや、あの、もうぼっちじゃないんですが……」
出てきた言葉が情けない。痛みが勝っている。そんな僕に対して、姉は冷たい視線を投げてきた。
「うるせぇ。彼女いたことねーくせに調子のんな、霊感クソニート」
理不尽すぎる。そして僕はニートではない。誤解を生む発言をするな、狂暴ゴリラ女。そしてお前の方がよほど霊感強いだろうが。
なんとか、もどしかけた朝食は胃の中におさまってくれた。もうこいつと喋るのはよそう。いつ地雷を踏むか分からないし……理不尽の塊みたいなこの姉は、たまにこんな暴挙に出るので、僕は用もないのに外へ出ることにした。
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