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「何でお前、こんな事になってんだよ?」
僕は何故か、眠るアイツに向かって声を荒げ、怒りをぶつけていた。
「何でだよ。何で………」
僕は下に俯き、眼から涙が溢れ出て、しばらくアイツの顔を見る事が出来なかった。
「ごめんな、こうなったのは、僕のせいかも知れない。僕が親や周りの大人にちゃんと話せば良かった。そしたらこんな事になる前に変わったかも知れない。本当に、………本当にごめん」
そう、もしかしてアイツは合図を送ってたのかも知れない。毎日の様に「よく来れるな」とか「学校休めば?」とか、アイツなりに言ってくれてたのかも知れない。
「何も気づけ無くてごめん」と返事が無いアイツに投げ掛ける。
その後再び、この部屋は規則的に滴り落ちる点滴と心電図の音だけが鳴り響く。
「…………」
「………………」
「……………………」
────ピコン、
静寂の中、突然スマホから音が鳴る。お母さんからLINEで『少し遅くなる』とメッセージが届く。
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