晴天に曇りなし

10/18
前へ
/20ページ
次へ
「あれ?アイツ?何で?」 ボーッとしていた僕の耳に突然のアイツの声で、醒ました。 「今晩は、RN(ラジオネーム)は?」 「あっ、やな…、あっ、都成の家です」 (緊張して自分の名前言おうとしてる) 「都成の家さん、今晩は。緊張してる?」 「はい………、すいません」 「いやっ、謝らなくて良いからそんな。ゆっくり話してこう、ね」 「………、はい」 「よし、相談は何かな」 「…………………、えっと……………」 「うん、ゆっくりでいいから」 「………………、はい。…………あの」 「うん」 「自分のとっ、友達がいじめられてて………」 「うん」 (?どういう事?) 「自分がいる時は止めにいけるけど、それでもなかなかいじめが無くならないくて」 「担当の先生はそれ知ってるの?」 「知ってます。」 「知ってるのに何もしないの?」 「はい、見ないふりしてます」 「…………、そっか」 「はい」 「これは難しいなぁ、………他の先生は」 「知ってます。何回か言いに言ったですけど、動いてくれませんでした。」 「…………その、いじめられている子の両親は?」 「多分知らないです。その人とは家が近所で話そうとしたんだけど、『お願いだから言わないで』って」 「心配掛けたくないから?」 「はい」 ─────その後もしばらく僕のいじめられている状況をアイツ越しに、不特定多数の人達の耳に伝わっていった。アイツの声を聴きながら、このラジオ番組のTwitterを見ていると、この、やり取りに対しての呟きが、沢山、投稿されていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加