晴天に曇りなし

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「けど、キミはどうして彼の事を助けようとしているの?普通、そこまで出来ないよ?」 「………………うーん」 「うん?」 「………小学校の時にいじめられてて」 「うん」 「六年生の夏ぐらいかな」 「うん」 「まぁ、いじめって言っても彼に比べれば大した事無いけど。最初は仲間外れにされて、そこから少しずつひどくなってて」 「…………』 「その頃に転校して来て」 「………その彼が?」 「はい。彼が来た頃にはもう、先生も見てみぬフリで」 「何それ、先生最低だ。ムカつくね」 「はい、本当そうです。けど彼だけは違っていて」 「うん」 「彼は校長室に行って校長先生に自分がいじめられている事を話してくれて、そこから少しずつ状況が変わってて、学校に行っても苦しい思いをしなくなりました」 ………あっ、そうか、思い出した。 「もしかして………恩返し?みたいな?」 「うーん………、どうなんだろう?それもあるかも知れない。それと………」 「それと?」 「………友…達だからかな」 照れながら喋るアイツを聴いていると、何故か目頭が熱くなっている自分がいた。
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