晴天に曇りなし

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晴天に曇りなし

「お前、よく学校に来れるよな」 これが僕とクラスメイトとの挨拶だ。 僕はいじめられている。 きっかけは簡単な話で、クラスでいじめがあり、 それを僕がいじめられた人を助けた事からだった。 その後、彼は学校を転校し、ターゲットは僕に 変わる。 最初は小さいモノだった。 授業中、後ろの方から丸められた紙が僕の頭に向かってやって来る。それからは徐々にエスカレートして、いじめは彼がいた頃よりも次第に育って行き、そして、担任も目を背けるまでになった。 「良いのか、僕としゃべって。ターゲットにされるよ」 いつも僕に喋りかけて来るコイツは、幼馴染である。コイツはいじめには加担せず何故か、いつも止めに入ってくれる。 「別に良いよ、ターゲットに成っても」 余裕である。 何故かと言うと、コイツはスポーツも出来て、勉強も上から数えた方が早く、そして、顔もイケメンで女子から人気がある。 「そういえば、ラジオ聞いた?」 「ラジオ?」 「知らない?昨日、Twitter盛り上がってたやつ」 「あ~。あれか、まだ聞いて無いけど」 「じゃあ、帰ったら聞いてみ、スッゲー面白いから」 「おっ、おう」 そう、コイツの残念な所はラジオが好き過ぎる事だ。学生が聞きそうなラジオは勿論の事、渋い番組も聞く。例えばラジオ寄せとか…………。 キーンコーンカーンコーン。 始業の鐘が鳴る。 僕にとっては地獄の合図。 この鐘が鳴ると僕は祈る。 早く学校が終わる事を願いながら。
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