3人が本棚に入れています
本棚に追加
晴天に曇りなし
「お前、よく学校に来れるよな」
これが僕とクラスメイトとの挨拶だ。
僕はいじめられている。
きっかけは簡単な話で、クラスでいじめがあり、 それを僕がいじめられた人を助けた事からだった。
その後、彼は学校を転校し、ターゲットは僕に
変わる。
最初は小さいモノだった。
授業中、後ろの方から丸められた紙が僕の頭に向かってやって来る。それからは徐々にエスカレートして、いじめは彼がいた頃よりも次第に育って行き、そして、担任も目を背けるまでになった。
「良いのか、僕としゃべって。ターゲットにされるよ」
いつも僕に喋りかけて来るコイツは、幼馴染である。コイツはいじめには加担せず何故か、いつも止めに入ってくれる。
「別に良いよ、ターゲットに成っても」
余裕である。
何故かと言うと、コイツはスポーツも出来て、勉強も上から数えた方が早く、そして、顔もイケメンで女子から人気がある。
「そういえば、ラジオ聞いた?」
「ラジオ?」
「知らない?昨日、Twitter盛り上がってたやつ」
「あ~。あれか、まだ聞いて無いけど」
「じゃあ、帰ったら聞いてみ、スッゲー面白いから」
「おっ、おう」
そう、コイツの残念な所はラジオが好き過ぎる事だ。学生が聞きそうなラジオは勿論の事、渋い番組も聞く。例えばラジオ寄せとか…………。
キーンコーンカーンコーン。
始業の鐘が鳴る。
僕にとっては地獄の合図。
この鐘が鳴ると僕は祈る。
早く学校が終わる事を願いながら。
最初のコメントを投稿しよう!