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僕は走った。
力一杯走ったが、何故かいつもより遅く感じた。
『何故、アイツが死ななければいけない?
本当はいじめられていた?
もしそうだとしたら、何故解らなかった?』
僕は走りながら、ぐちゃぐちゃに成っていく頭の中をどうにか保とうとしようとしていた。
学校に近くに連れ、人だかりができる。
『──君が自殺したって』
『いじめ?』
『嘘でしょう』
学校に向かって走っていると野次馬達の話が入って来る。
アイツの話題だ。
信じたく無いが、やっぱりアイツの様だ。
再び、頭の中はぐちゃぐちゃに成り出し、僕はそれを必死に抑えながら何とか学校に着いた。
「ハァハァハァ、アイツは…………」
学校の校庭の中には警察と教師達が話をしていて、
学校の校門を警察が囲んでいて中に入れないでいた。
「──君は何処ですか。友達なんです、お願いします。何処ですか」
僕は必死に警察にアイツの居場所を聞く。
警察から見たら僕の顔は、まるで、鬼の様に見えたのかも知れない。
警察の人は『ごめん、言えない』と言うと僕は、その人の服を力一杯掴み、再び、アイツの居場所を聞こうとすると、周りにいる警察の人達が止めに入る。
「落ち着つけ、大丈夫。彼は生きているから」
その言葉を聞くと、今まで抑えて来た頭の中が一気に解放されると、僕の身体が抜け落ち、泣き崩れた。
──それからの事はよく覚えていない。
気が付くと僕は、お母さんが運転する車に乗っていた。
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