晴天に曇りなし

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日が沈み、僕はお母さんが運転するライトの明かりを頼りに暗い夜道を進んで行く。 僕が目が醒めると『大丈夫?もう、心配したんだから』と話し掛ける。 車の中は暗く、最初は誰だか分からなかったが、通り過ぎる街灯の光で眼が充血している母の姿が其処にあった。 「お母さん?何で車?」 僕は今の状況が呑み込めないでいるとお母さんは、 『とりあえず落ち着いて』と左手の人差し指でペットボトルを差す。 僕はペットボトルに入っているお茶を飲む。 「落ち着いた?」 「うん、落ち着いた。ありがとう」 お母さんは状況を説明する。 僕が泣き崩れたその後、お母さんが来て、僕を連れて行こうとしたが、僕がその場から動けずにいたら警察の人が僕を抱き抱え、お母さんの車に連れて行ってくれた。 「そっか、……………ごめん」 「本当だよ。もう、心配したんだから 後、今から病院行くから。──君に会いに」 「えっ?」 「警察の人が教えてくれた。──君生きてるって」 「……………、そっか、生きてる。良かった」 その言葉を聞いて何故だか、心が落ち着いた。 (そっか、アイツは僕にとって大事な友達なのか……、何で気付かなかったんだろう) 「けど、お母さん分からないわ、何で─君あんな事したのかしら。何か知らない?」 何故だろう、僕もよく分からない。 確かに僕の事でいつも止めに入ってくれてはいたが、アイツは友達もいるし、周りからも好かれている。そう、僕とは正反対で、あんな事にはならない筈だ。 ………思い当たるのはもしかして、僕の事? 「ねぇ、何か知らない?」 「えっ、あー…………………」 言葉に詰まる。お母さんは知らない、僕がいじめられている事を。 その後、アイツがいる病院までの間、車のエンジン音だけが、聞こえていた。
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