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「あー…まだ酒が抜けねぇ…」
「先輩、飲み過ぎですよ。昨日一日休みだったのに抜けないって」
「あー、珈琲が胃に染みる…」
大丈夫かね、この人。
「この後、鍛錬があるけど大丈夫なんすか?」
「いざとなりゃ医務室で薬もらうわ」
「二日酔いに効く薬なんて医務室に置いてるんすか?」
「魔界の万能薬がな…くっそ苦くて、くっそ不味い万能薬がある」
「良薬口に苦し」
「死ぬほど不味いんだよなぁアレ」
「大丈夫です先輩。俺らもう死んでるんで」
「死ぬほどなのに死ねねぇから余計辛いんだぜ…」
「そうきたか」
ドンマイとしか言えない。元はと言えば飲み過ぎた先輩の自業自得だ。
結局、先輩は死ぬほど不味い万能薬を飲んで鍛錬に参加した。
「おえぇぇぇ…口の中から匂いと味が消えねぇ…」
「飲む前より体調悪くなってません?」
「体調はいい。すこぶるいい。ただ匂いと味による精神ダメージは計り知れない」
「プラマイゼロどころかマイナスじゃないですか」
ダメじゃねぇか。
「味と匂い、何とかなんないんすか?」
「コレ解消出来る唯一の飲み物がな」
「飲み物が?」
「アルコール」
「ダメじゃねぇか」
思わず敬語忘れてツッコミんだわ。
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