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骸骨集団に混じって無言で進む。やがて人間の軍勢が見えてきた。
『にひゃひゃ♪さぁ、ボクのカワイコちゃん達…やーっておしまーい!』
ネクロマンサーの声が頭に響く。
あのアホ上司、伝達魔法で遊びやがって。
誰がカワイコちゃんで何がやーっておしまーい!だ。
「まったく…毎度毎度、やる気が失せる!」
それでも剣を抜き、突入する。
「この…スケルトンめッ!」
甘いッ!
振り下ろされる剣を掻い潜り、ガラ空きの胴を切り裂く。
「ぐはぁッ!」
そのまま後続の兵士へと剣を突き立て、兵士を盾にして突っ込む。
「くっ、この…骨野郎がァ!」
馬鹿野郎。余計な肉がついてるお前とはスピードが違うんだよ。
「があぁぁぁッ!」
盾の兵士ごと突き刺し、足を使って剣を抜く。
兵士の服で血脂を拭き取る。じゃないと切れ味が鈍るからな。
人間は骸骨と違って肉がある。血が通ってる。
余計なモノが多すぎる。
「なッ……黒い骸骨だと?!」
「何と禍々しい!」
うるせぇよ。
「ぎゃぁあああ!」
「がふッ!」
さっさとくたばりやがれってんだ。
「し…死神だッ!」
「ひぃッ!く、来るなァッ!」
おいおい。死神なら俺よりも後ろのリッチの方が適役だろ。
俺はただの骸骨戦士。スカルジャーだっつの。
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