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「カフェオレと餡子、悪くない」
「肥満と糖尿には要注意だな」
「魔王印の黒糖饅頭ウマー♪」
スルーかよ。
「んで今日は何用?」
「残念ながらボーナス査定じゃないよ」
「珈琲淹れて損した」
「ボク、上司。キミ、部下。おけ?」
「パワハラで労基に訴えてやる」
「社会人としてのマナーを説いてもパワハラかぁ。最近は世知辛い」
「いいから話進めろ」
「ボク、上司…まぁいいや。あのねぇ、次の派遣先なんだけどねぇ」
派遣って何だよ。転移魔法陣で転送するだけだろが。
「キミにはすっごく因縁深い場所なんだよねぇ」
ぞわり、と背筋が震えた。
「おい、それって…」
「とある国のとある領主の領地だねぇ」
領主。
「アイツが…いるのか」
出てもいない生唾を飲み、ゴクリと喉が鳴る。
「いるよ。いるともさ」
ネクロマンサーが邪悪な笑みを見せる。
「キミがどうするか…ボクも魔王様も楽しみにしてるからさぁ。せいぜい楽しませてよ?」
「俺はアンタらの娯楽じゃねぇよ」
「にひゃひゃ♪」
ネクロマンサーが愉しげに笑う。
「娯楽さぁ♪ボクはともかく魔王様にとって全ては娯楽なのさ。つまらない世界を少しでも面白くする為のスパイスなのさ」
「悪趣味だな」
「にひゃひゃひゃっ!そうだねぇ!」
こっちは笑い事っちゃねぇんだよ。
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