再会

4/8
前へ
/118ページ
次へ
言うだけ言ってネクロマンサーは帰った。饅頭を懐に入れて。しかもご丁寧に三つ残していきやがった。そこは二人なんだから偶数で残せよ。 「あ、先輩が二つ食べてくださいね?」 「気を使うな。半分にしようぜ」 いい先輩だよな、ホント。 「あー…なぁ」 「何すか」 「その…言いたくなけりゃ言わなくていいんだけどよ…」 口ごもる先輩に俺は察した。 「さっきの話ですか」 「んー、まぁ、な」 ガリガリと頭を掻く先輩は何とも気まずそうだ。 「俺の生前の話はしましたよね。その死ぬ原因になった女が今、その領主の嫁なんですよ」 「…マジか」 「マジです」 「お前を殺したっつー同僚がその領主って事か…」 「あ、いえ。別人ですね」 「はぁ?!」 「え?何で?」と混乱している先輩に説明する。 「わらしべ長者かよ!」 「あ、俺も思いました、ソレ。着実にグレードアップしてますよね、ターゲットが」 「何で段階的にステップアップしてんだよ!ホップステップジャーンプ!ってか!」 「段階的にとステップアップって意味被ってません?」 「ニュアンスが通じれば良し!」 「まぁ通じましたけど。ていうか俺ってホップどころかアレですよ。跳び箱の踏切板。何て言いましたっけ…ロ…ロ…?」 「ロイター板!」 あ、ソレだ。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加