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言うだけ言ってネクロマンサーは帰った。饅頭を懐に入れて。しかもご丁寧に三つ残していきやがった。そこは二人なんだから偶数で残せよ。
「あ、先輩が二つ食べてくださいね?」
「気を使うな。半分にしようぜ」
いい先輩だよな、ホント。
「あー…なぁ」
「何すか」
「その…言いたくなけりゃ言わなくていいんだけどよ…」
口ごもる先輩に俺は察した。
「さっきの話ですか」
「んー、まぁ、な」
ガリガリと頭を掻く先輩は何とも気まずそうだ。
「俺の生前の話はしましたよね。その死ぬ原因になった女が今、その領主の嫁なんですよ」
「…マジか」
「マジです」
「お前を殺したっつー同僚がその領主って事か…」
「あ、いえ。別人ですね」
「はぁ?!」
「え?何で?」と混乱している先輩に説明する。
「わらしべ長者かよ!」
「あ、俺も思いました、ソレ。着実にグレードアップしてますよね、ターゲットが」
「何で段階的にステップアップしてんだよ!ホップステップジャーンプ!ってか!」
「段階的にとステップアップって意味被ってません?」
「ニュアンスが通じれば良し!」
「まぁ通じましたけど。ていうか俺ってホップどころかアレですよ。跳び箱の踏切板。何て言いましたっけ…ロ…ロ…?」
「ロイター板!」
あ、ソレだ。
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